Switch【ToHeart】全キャラクリアー後感想 ※ネタバレ控えめ いつまでも、ずっと傑作

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元をたどれば元祖は1997年に発売されたアダルトゲーム。
その後は家庭用ゲーム向けに描写を抑えフルボイス化されたプレイステーション版発売など、
さまざまなプラットフォームに移植はされてきましたが今作は初のリメイク。
2Dで描かれてきた人気作・傑作が3Dに。

・・・・・・他作品なら喜ぶべきことなのですがなにせ思い出補正の強いと思われるレトロゲームのリメイク。
思い出を壊されたくない・・・
リメイクに際していろいろ弄られて余計な改悪、蛇足がされるかもしれない・・・
なにより私のゲーム暦の中でもかけがえのないほど心酔してきたタイトルの1つが汚されるかもしれない・・・。
何度そのようなリメイク作品にガッカリしてきたことか・・・。

いっそのこと限定版のアニメBDのためだけに買ってゲームはプレイしない、ということも考えましたが思い直してプレイ開始(笑)

数々の不安の数々は的中することなく杞憂に終わりました!
問題点はいくつもありましたが・・・、
傑作は多少の荒さがあろうともいつまでも傑作のままでした。

※過去作との比較も書いていきますが過去作をプレイしたのがかなり昔なので記憶違いの箇所が多々ありそうなのでご容赦を

■リメイク
・3D化
キャラクターや背景が3D化。
キャラクターの3D化は可愛らしく作られています。
2Dイラストの良さは当然無くなっているのですが3Dキャラは3Dキャラで良きところも。
2Dでは文章のみで表示されていた仕草や情景が視覚化され動いたり、2Dイラストとは違うアングルから見れたりするのはちょっとした感動。
ちょっとだけでもカメラ視点を動かしたかったけどそれは不可能。

3Dになることで演出は増えましたがテンポが悪くなったと感じることは全くありませんでした。

体感ゲームプレイや登下校を共にしたりするシーンも動的に見れ、主人公視点で描かれているシーンも多く臨場感も増し増しに。
街中や校内を移動できるスクリーンショットをご覧になられた方もいらっしゃるでしょうが自由にあちこち移動できるわけではなし。
見渡すとヒロインがいるのでそこまで近づいていく程度の移動要素ですがこれも臨場感や生活感をアップさせています。
雨の登下校は傘もさすしお弁当はキャラによって種類が違う、衣装もきちんとシーンにあった(原作に沿った)衣装を3Dで作られていて手抜き感もなし。

・新キャストにより新録ボイス追加
ほぼ全員キャストを一新したボイスが新録。
ありがたいことにオリジナル版のボイスも収録。
原作ファンなのでほとんどオリジナル版ボイスでプレイ。
なぜ新録ボイスを追加したのか原作ファンの私からすると不思議でしたが初めてToHeartをプレイする人には”今”の声優さんの声質や演技のほうが慣れ親しみ安いからなのかな・・・。
決してオリジナル版ボイスが古臭く聞こえるわけではないですよ!!!

・テキストのウィンドウ化
原作は画面全体にテキストが表示されるビジュアルノベル方式でしたが画面下のウィンドウにテキストが表示されるモードも追加。
立ち絵と背景メインの原作ならビジュアルノベル方式でもよかったのですが3D化で見所が増え、その見所が見えやすいウィンドウモード追加は大正解。
ほとんどウィンドウモードでプレイしていました。

上2つのボイスとテキスト表示方式の切り替えはいつでもオプション画面で可能ですがボタン一つで切り替え可能にして欲しかった。
ボイスの聞き比べを簡単にしたかったし、テキスト表示はビジュアルノベル方式にするとちょっとカメラが近くなったりするのに。

・ルートガイド機能
意中のヒロインを攻略するためのルート、選ぶべき選択肢や行べき場所が全て表示されます。
親切すぎてAVGの楽しみを奪ってしまう機能でもありますがレトロAVGは意地悪な選択肢もあるので大助かり。
仕方はないのですが誰を攻略するか、は最初しか選べる一度ずれた選択肢をえらぶとこの機能はオフに。
複数のキャラをセーブポイントをやりくりしながら短時間で攻略するやりかたでは使えません。
この機能に頼らずセーブロードを繰り返しながら効率よく攻略することはもちろん可能です。
テキストAVGになくてはならないスキップ機能は次の選択肢まで高速早送り機能があるので問題はなし。
日付表示も高速になればもっと高速で周回できるのに。

■古臭くない!!!
本作をプレイして大きく驚いたことはこの点かな?
アダルトシーンが無い以外はシナリオ自体は1997年発売元祖版と大きく変化はないはず。
それなのにシナリオに古臭さを感じません。
スマホはでてこないし携帯電話は金持ちキャラがちょっと使うだけ、
インターネットという単語はでてきますが駆使されることもなく当然SNSも登場しない。
それなのに古臭くないんです。
スマホがあれば解決するのでは?と野暮なことを考える事案も少なめ、というかそんな野暮なことを思いつかせない今でも通用するシナリオの妙に今更ながら驚かされます。

スマホを始めネットやSNSの普及している現代を恋愛AVGに落とし込むと妙に刺々しく無機質にもなり、それが恋愛AVG衰退の要因の1つなのかなぁ、とも考えさせられました。

アンドロイド、総合格闘技選手、オカルト、超金持ち、外国人、極貧と風変わりすぎるヒロイン達も昔なら突拍子もないキャラクターでしたが今では逆にリアルさを感じる設定。
(超能力者はまぁ・・・(笑))
時代が追いついてきた(笑)

 

■問題点
かなりあります(笑)
・グラフィク
なぜこんなにボヤけてて文字はザラザラなのか・・・。
慣れれば気にはならなくなるし文字も読めないわけではないけど。

 

・選択肢の誤選択
テキストを送るときボタンをポンポン押していると選択肢が出ていることに気がつかず一番上の選択肢をうっかり選んでしまう問題。
他のRPGやAVGでもよくある問題ですが・・・何故この問題を残したまま実装するゲームがいまだに無くならないのか!?
まして本作はテキストAVG、あってはならない問題を普通に実装とかありえない。
オートセーブは1日ごとにされるので違う選択肢を選んでも巻き戻すことは容易なのですが・・・。

 

・クリア後おまけ
クリアしたキャラは3Dモデル鑑賞、エピソード閲覧が可能に。
この3Dモデル鑑賞の自由度や幅が少ないのは残念、
横回転しか出来ない、見れるポーズが少ない等々。
サウンドモードがないのも納得できない。
本作を神ゲーとも言わしめる要因の1つは楽曲の素晴らしさ。
それを自由に聴けるモードがないって・・・。

 

・携帯モードで画面タッチ非対応。
・見る角度によっては3Dのキャラクターの表情やポーズが不自然に見えるときがある
・回想モードにミスがある?(あかりの回想モードでイメチェン後もイメチェン前の姿だったり)

■記憶違い?
・シナリオが少々淡白?
シナリオの良さは変わっておらず良シナリオ揃いなのですが原作はもうちょっと1人1人のシナリオが長めだったような。
原作では感じませんでしたが短編集のような感じを受けました。
テキストで描写する情景を絵で見せられるようになりテキスト量が減った?
18禁版もプレイしてるのでアダルトシーン削除自体がそう感じさせるのか・・・な?

 

・名前が変えられない
原作はどのプラットフォーム版でも不可能だった?
しっかりと「藤田」「浩之」「ひろゆきちゃん」とボイスありで呼ばれます。
名前変更機能ほしかった。
別の名前だけでなくあだ名も変更できるAVGも少なくないのに。
でも
仮に名前変更機能があったとしても名前は変えずにプレイしていたかも。
キャラごとに「ふじたひろゆき」のよびかたの違いを楽しむゲームでもあるので。


ここからは各キャラごとの簡素な感想
■神岸あかり
3Dでこのポーズ再現は嬉しい!
思い出よりグイグイ来る終盤に泣けた。
■長岡志保
ここまでいろんなシナリオで絡んでくるキャラだったとは記憶してなかった。
ここまでウザキャラ、ウザボイスだったことも。
でもそこが凄くいいキャラだったことを再認識。
エピローグを動的に再現してくれるとは思わなかった
■マルチ
わかっててもボロボロ泣いた。
もうちょっといろんなモーションが見たかった。
本作やナニカをきっかけにまた再ブレイクしてほしいなぁ。
ロストフラグコラボそろそろかな?
■保科智子
3Dモデルがちょっと残念で角度によってはモブキャラっぽくなってしまう。
EDはほとんど覚えてなかったので○○衣装に過去がフラッシュバックするほど驚いた
■来栖側芹香
表情の変化の表現がやや乏しかった本作ですがその点では一番得してる人かも。
ひろゆき視点であのシーンが見れるとは
■宮内レミィ
原作では一番浮世離れしたキャラに感じたけど今ではハーフの学生とか珍しくなくなって違和感がなくなったのが大きい。
ED(オチ)を忘れていたので嬉し泣きしてしまった
■松原葵
格闘技に挑む女性が増えブルマじゃなくなったことで今の時代にあったキャラに。
格闘のモーションやカットシーンはそれなりに作られていてよかった。
もっときちんとした格闘シーンがみたかったけど。
■姫川琴音
超能力が過度にビジュアル化されていないのでミステリアスな雰囲気がそのまんまでよかった。
エフェクトバリバリの派手なシーンも見てみたかったけど。
■雛山理緒
EDがイイ!
なにげないシーンだけど動いているだけで感動が増しました。
大谷育江さんのボイスがこんなにハマっていてこんな良キャラだったとは、リメイクでの新たな発見。

■来栖川綾香
葵といっしょで格闘シーンがそれなりに作られてよかった。
しかも主人公視点は燃える。
エピローグのシーンのために○○まで作るとは手が込んでる

■DLC セリオ、雅史ルート
どちらも当たり障りのないシナリオでしたが今になって当たり障りのあるシナリオ追加は大炎上しかねないし私も望んでいない。
セリオ編はセリオファン
雅史編はToHeartファン向けといった内容で価格相応の良きDLCでした

■Switch2
なんか快適な気がするのでほぼSwitch2でプレイ。
起動には約1/2で失敗する困りものですが
スリープからの再開やプレイ中は1度もエラーがでたことやフリーズしたことは1度もなし
Switch2向けに画質向上アップだしてください。
1000円でもいいので。

旧Switchで起動を何度も試してみましたがこちらは問題ありませんでした。

■価格 パッケージ4378円 DL版3080円
なんでこんなに安いの(笑)
画質の残念さは価格相応といえますが新録ボイスもありこの安さは不思議すぎる
安いからこの低画質でも我慢・・・とは納得したくない。

■プレミアムエディション
アニメBD付を購入しました。
めちゃめちゃくっきり鮮やかというわけではないけど画質と音質は上々。
これこそOPの飛ばせないアニメ。
このアニメの浩之が私のなかの浩之像なのでリメイクの浩之はちょっと違和感。

■その他
原作の大ファンだったこともありべた褒めしすぎたでしょうか(笑)
原作同様時間を忘れてプレイしましたが2025GOTYに推したいかというと・・・違う、
そういう評価とは違うベクトルの面白さで原作の良さは健在でした。

刺激的でバイオレンスな展開があるシナリオではなく、
俗にいう「テキストを読むだけのゲーム」にほぼ近いのですが
何故「ToHeart」が人気があり多くに愛されるソフトだったのかは
このリメイク作を遊ぶことでも体感できるはず。
毒にはならなくても薬にはなる、心身が穏やかになれるAVGです。


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