■前置き■
先日から「ポケモンレジェンズZ-Aショック」なるものを軽く患っていました。
期待も大きかった国民的タイトルがあくまでも個人的には今までにないくらい大きく期待を裏切られたことで。
世間やSNSでは賛否両論、否もあれば絶賛する声も多くあります。
とある漫画家がとある漫画誌の巻末コメントで「最高傑作」と評していたりもします。
感じかたは人それぞれなのは重々わかっているのですが自分がよっぽどズレているのか、
ゲームに対して過度な期待はすべきではないのか、
そして「次、買った新作までハズしたらどうしよう」と疑心暗鬼に。
元々本作は購入予定ではありませんでした。
前作HD-2Dドラクエ3が期待ハズレだったので。
ここで本作を購入して世間の期待も大きい国民的タイトルがまた期待ハズレだったらもうテレビゲームが嫌いになるかもしれない、と。
反面、ショックから立ち直らせてくれる可能性もあるのも本作。
その期待に一縷の望みをかけて、
&堀井雄二氏らの思わせぶりな「サプライズあり」「エンディングは配信禁止」などの内容をネタバレではなく自分の目で確かめたいこともあり思い切って購入。
■■■ドラクエ1■■■
●バトル
いまさらソロPTのコマンド選択式RPGって・・・しかも敵は複数!?
どうやっても今遊んで面白くは感じないでしょ、
と思いきや、
ソロvs複数のバトルはそこまでバランスも悪くなくテンポもよくて楽しめました。
2で顕著になるのですが本作の敵は強めです。
ただし1ではソロであることを考慮してかまだ耐えれる強さでした。
ボタン長押しによる技の強化はいいアイデアですが強化後の技がわかりにくいのは難。
味方のバフデバフもわかりにくい。
メタルスライムがあまり逃げないのは気のせい?
●シナリオ・キャラクター
FC版に近い作品をプレイしたのがかなり前なのでかなり記憶が薄いのですが1の大雑把すぎる印象は、
「レベル上げがゲームプレイの99%をしめるゲーム」
でしたが本作は住民らとのイベントが節々に挿入されアイテム集めや戦闘の目的がイベントで展開されるためわかりやすく感情移入もしやすくなっています。
イベントシーンではボイスありなのも良い。
良い、のですが・・・このHD2D、ドラクエ3でも感じましたがまずキャラが口パクしないので違和感が大きい。
声優さんの熱演には頭が下がるのですが画面上のキャラはのほほんと立っているだけ。
主人公を演じるのは花江夏樹さん。
ものすご~~~く個人的な感想ですが・・・・全然あってない(花江さんゴメンナサイ)。
炭次郎にしか聞こえないのと自分の中の1の主人公像となんか違う。
主人公はイベントシーンではほとんど会話もないキャラで大人しい、もしくは沈着冷静な性格にみえるのに戦闘時になると声のせいで熱血漢に変貌するせいかな~。
オリジナル同様ローラ姫を助けたあとお城に送りかえさないと一緒に冒険ができます。
条件を満たせばラスボス戦でも一緒に。
ほとんど戦力にはなりませんがちょっと手助けをしてくれることも。
ローラ姫と一緒だと1人で見ることになるイベントにも介入してきて賑やかになります。
このあたりはかなりの追加台詞もあるようで楽しかったです。
戦闘時もいろいろしゃべってくれるのでバトルも賑やかになるのですがセリフの種類は少な目だったのは惜しい。
何も知らないプレイヤーならローラ姫と別れて1人旅を続けることになりそうですが別れるときに警告メッセージはあったのかな?
私はずっと一緒だったのでその辺りはわかりません。
攻略順によっては強制的に姫とお別れしなければならないようです。
1人より姫と2人のほうが旅も戦闘も楽しいのに。
どうにかならなかったの?
■■■ドラクエ2■■■
戦闘や探索面はかなりの苦行、ストレスMAXでした。
はぐれメタルはなかなか出てこいないし、すぐ逃げる!
●シナリオ・キャラクター
こちらもFC版に近い作品をプレイしたのがかなり前なのでオリジナル版の記憶は薄め。
キャラの性格付けがFC版でここまで明確にされてたかな?と思うほどサマルトリア兄妹とムーンブルグ王女はわかりやすいキャラクター設定に。
オリジナル版はそこまでキャラクターに強い個性があった記憶がなかったので適当に某作品の名前を使ったらイメージが全然違うキャラになってしまった(笑)
ローレシア王子はイベントシーンでもほとんどしゃべらずドラクエの主人公らしい主人公でほぼ無個性。
こちらは戦闘のボイスもイメージと合っていました。
サマルトリアの王女は明るい性格で冒険のムードメーカー。
嫌味のない良いキャラで暗くなりがちな冒険を明るく照らし楽しませてくれました。
シナリオ進行は自由度が少々高め。
ある程度攻略手順の幅は広めですが目的地が示されるマーカー表示機能のおかげで迷うことは少なめ。
ただしどの街をどの順で訪れるのかもある程度自由なので武具を買い揃える際にどこの街の武具屋が良いものを売っているのかかなりわかりづらかったです。
●バトル
3同様、この迫力と臨場感の無さはなんなの・・・。
3から改善する気が全く見られなかったのは怒りすら感じる。
本作ではサマルトリア王女が同行する4人PT制に。
それでも敵の強さは異常。
エンカウント率も高め。(ただしトヘロスはどこでも有効)
本作でプレイヤーキャラらはオリジナルにはなかった強力技を使えるようになり、かなり有利に戦えるはずなのですが敵の攻撃が激しすぎてこちらの攻撃がかなり控えめに。
ドラクエのバトルとはそういうもんだから、とも言えますがHD2D化と同時に今風のRPGに慣れているプレイヤー向けの難易度もほしかった。

ダンジョンの長さ、謎解き、辛さと後半はかなり意地悪。
おそらくオリジナル版のままなのでしょう。
HD2Dとは?
リメイク、リマスターとは?
といった問答になってしまうけど途中に回復ポイント増やしてくれてもいいんじゃあないの・・・。
●真エンディング
予想が当たってしまったので「やっぱり、そうくるよね~」としか(笑)
内容はすごく良かったのですが公式はちょっと期待させすぎた?
真ED中ではイベントシーンでカメラ視点にも工夫が。
○○の演出も重なりジ~ンときました。
何故これを本編で多用しない!?
本編のイベント・会話シーンのほとんどがカメラが微動だにせず引きのままなんですよね・・・。
演劇を大会場の一番後ろから観させられている感じというか。

■■■1&2■■■
フィールドは美しく描かれているのですがオリジナルのマップを再現しようとしてHD2Dではわかりにくくなっている箇所が多々ありました。
視点が回転できないのと階段や壁が背景に紛れ探索がマップやミニマップ頼りになることも。
2で特に顕著になる敵の異常な強さと長めのダンジョンのストレスはかなりありました。
難易度は3段階+死なない設定があり大雑把にいうとハード・ノーマル・イージー・チート(イージー&死なない)の4段階
イージーでもかなりキツイです。
「チートがあるからノーマルは昔のまま(?)の難しさ、イージーでもこれくらいでいいか」とバランス調整の放棄のようにも感じました。
こちらの攻撃手段はオリジナルより種類も増え強力になったから敵も強くしちゃえ、って?
それ以上に敵が強くて道中の回復手段やショートカット機能も少なめ。
バランス調整がかなり厳しめで「簡単にはクリアして欲しくない」ような圧を感じました。
昔のゲームはそういうのが普通だったのかもしれませんが。
それに対抗するのはレベル上げなのですがレベル上げを頑張ってちょっと余裕が出てきた敵にコロッと全滅させられることも。
ザキ系を使う敵が少なくなく、敵のつうこんのいちげきや複数回攻撃も多くてランダムなせいもあってか運ゲーなのかと思うほどのバランス。
FC版も相当難しいバランスだったようですがここまで運ゲーだったの???
いまさらドラクエ1&2で感情を揺さぶられることはないだろう、と軽視していましたが心を打たれるシーンがいくつかありました。
堀井雄二節の妙?蛇足に感じたことは1つも無かった追加(たぶん)イベントや会話シーンにボイスがあったのも大きかったです。
BGMはオリジナル版のアレンジ、流す場所を変えるようなことはしていないでしょう。
楽曲の種類は少なく感じましたがそれでも聞き飽きることなくいつまでも聴いていられる音楽はすぎやまこういちさんの功績が偉大すぎる。
3でも不満だったのが右スティックが何にも機能していない点。
右スティックでのカメラ上下左右かカメラのアップロングくらいはできてもよかったのでは?
ゲームになれてきても移動、戦闘速度はじれったく感じました。
3であれほどいわれてアップデートまでしたのに何故1&2でも・・。
グラフィックは3よりちょっとよくなった気がしますがシステム面は戦闘のみならず乗り物の速さなどHD2Dドラクエ3から改善されたと体感したことは少なかったです。
HD2Dドラクエ3ではいろんな要望がきただろうに・・・。
持ち物とどうぐ袋とそうび袋を分けているのもかなり面倒くさい。
■■■Switsh2■■■
ロードは快適ですが戦闘前にほんのちょっと(0.1秒以下くらい)無音の間があるのは少々気になりました。
戦闘後のロードも短いのでロードの演出はいらなかったです。
処理が重くなったりすることもなくバグ、フリーズは1度もありませんでした。
地味なレベル上げも携帯モードでダラダラできてストレス減。
■■■その他■■■
正直ドラクエ1・2・3リメイクにHD-2Dは向いてなかったと感じています。
イベントシーンをドラマチックにすればするほど浮いてくるキャラクター。
本作がきっかけでSNSではドラクエにボイスが必要か否か議論が再燃していますが本作に限ってはそういう次元ではないのです。
レトロゲームをオリジナルを尊重してHD-2D化しただけではボイス演出が妙に浮いて釣り合わないのです。
本作はボイスコミックという漫画のコマのセリフにボイスを加えた手法と感触に近い。
私はドラクエのボイスあり肯定派。
ドラクエ11Sはボイスなし無印より楽しめましたがそれはドラクエ11のビジュアルがあってのこと。
本作のイベントシーンはまるで駄目というわけではなくボイスありのおかげで妖精や人魚関連などで琴線にクるイベントは少々ありました。
○○生き返らせてあげたいなぁ・・・と○○に深く感情移入しているほど。
見せかたが違えばもっと感情が揺さぶられるシーンになっていたのでは、
そんなシーンがもっと増えていたのでは、と感じるシーンも多くつくづく残念。
人の言葉を話す敵味方のキャラはちゃんとしゃべるのにモンスターの鳴き声(効果音?)は昔のまんまのしょぼさにもかなり違和感。
本作は他のオリジナルHDー2D作品とは違い原作(しかもレトロゲーム)ありきのHDー2D化なので2D部分に古めかしい箇所があるのは仕方がないのでしょう。
もう見飽きてきた感もあるHDー2D作品に今後も可能性があるとするなら、まず2Dを舐めてはいけない。と。
インディーゲーム界隈でもまるでアニメかのように動く2Dや高精細に描きこまれ生命が吹き込まれているように多くのモーションで動くドット絵など2Dグラフィックはいまだ進化を続けています。
本作はキャラクターやモンスターなどドット絵キャラクターがまず現在の2Dゲームのレベルに達していない。
元がレトロゲームでオリジナルを重視してのHD-2D化とはいえ・・・まず2D部分から見直す必要があったのではないでしょうか。
プレイしていて一番滑稽に感じたのは高速移動時の早歩きモーション。
早歩きではなく走るモーションだったらドラクエの雰囲気じゃなくなるかも?という意見もあります。
私はそうは思わないのでボイス同様、走りモーションを実装してそれが嫌な人のためにONOFF機能があってもよかった。
結果として期待を大きく裏切られることはありませんでしたが3からの大きな改善や進化は見受けられなかったのは残念。
それでも難易度を除けばファミコン時代のRPGが今でもプレイに耐えれるレベルに良リメイクされています。
ほどよく起こるイベントの数々は戦闘に明け暮れるだけの印象が強かった1&2を飽きさせない造りにしています。
ただHDー2Dドラクエ1&2が初めてのドラクエ1&2プレイになる人も少なくないはず。
難易度やドラクエ1&2ならではの古めかしいシステムが継承されていることで、そういった人達への配慮は欠けているように感じました。
ポケモンレジェンズZ-A同様、多くの人が待ち望む超期待作、
もうちょっと頑張れなかった?
なんとかならなかった?
と感じた点もZ-A同様多々ありました。
ですが、サマルトリア王女の明るさと真エンディングのちょっとした感動でポケモンレジェンズZ-Aショックからなんとか立ち直れました。
HDー2Dドラクエ3のこともあり過度な期待をせずプレイしたのも功を奏した?のかな~。






令和にポケモンショックくらってて草