PS5【ゴースト・オブ・ヨウテイ】クリアー後感想 ※ネタバレ控えめ 芸術がプレイアブル化した極上力作


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なにも言うことはございません。
と、言いながら賞賛の言葉を書き連ねたいくらいでもう脱帽です。

視覚と聴覚を爽快感と戦略を併せ持つ戦闘や圧巻の自然の描写美で圧倒されました。
粗や気になる所が全く無いわけではないですがこの超絶力作の中では霞んでしまうほど。


ゴースト・オブ・ツシマで見事なまでに美しく広大な対馬の景観を描き時代劇らしい剣劇をゲーム内で実現した海外のデベロッパー、サッカーパンチ。
どうして海外のデベロッパーが日本の風情や侘び錆びや風習をあそこまで深く描写出来たのか不思議に思ったものですがこのヨウテイではその疑問がさらに深まることに。
江戸時代の北海道や羊蹄という歴史の授業や小説・マンガなどで取り扱われることの少なかった舞台を海外の方達がどうしてここまで感情を揺さぶられるほど描くことができたのでしょうか。

■ストーリー
私やメディアは(公式も?)都合上ゴースト・オブ・ツシマを前作と呼称していますがストーリーやキャラクターの繋がりは全く無く本作か始めて問題はありません。
江戸時代の北海道のことは前作ゴールト・オブ・ツシマより時代背景の知識が薄いので不安もありましたがその点でも何にも困ることもありませんでした。

 

主人公の篤の目的は家族を殺害した斉藤を含む羊蹄六人衆への復讐。
その復讐心にプレイヤーが共感しやすいよう演出が細やかなので時には人道を外れる篤の言動にも共感してしまうほど。
シームレスで過去と現在を行き来する仕組みは驚きで回想シーンがゲームの流れやゲームプレイを阻害していません。
プレイヤーが回想シーンにプレイアブルに突入できそこで行動できることがこれだけ心に刺さってくるとは。


オープンワールドということもあってか誰から復讐しにいくかはほんの少しだけ自由度があります。
もうちょっとだけ討伐の順をプレイヤーが自由に選べてもよかったかな。
後述するフィールドやサブイベントなどの寄り道が大ボリュームかつ寄り道したくなるように造られているのですがメインストーリーはやや一本道。
その分、メインストーリーが散らかることなく一本筋道が通っているので遊びやすかったのは確かです。

■バトルアクション
正直プレイし始めたときは「・・・(アクションゲームとして)浅そう」「ツシマってこんなんだったかな?」と感じましたがそれは大間違い。
ゲームが進むにつれ敵の防御が固くなっていくのですが、主人公の攻撃手段もどんどん増えていいきます。
敵のガードをどの攻撃手段で崩していくかの戦略がゲームが進むごとに豊富になり目に見えて楽しさがアップ。

序盤、「敵の位置が察知できたらなぁ」「暗殺がもっと流暢にできたらなぁ」といった不満もゲームを進めるとそんな要素が開放され解消。
プレイヤーが覚えるべきアクションシステムの開放が緩やかでもう少し早めでもいいかな?とも思いましたが覚えることが多くて大変、ということはなかったです。

武器は近接が5種、遠隔が4種。
遠隔はやや戦闘中は使いづらく近接でのバトルがメインに。
どの武器種がどの武器種に効くかわかりやすくいつでもチェンジできます。
刀なら刀は1種類しかなくその1種を強化していく形でハクスラのように武器を集めながら能力アップしていくゲームではないです。
武器の模様を集める要素はあるので厳密には武器は種類ごとに1つだけ、というわけではないのですが。

 

どの武器種もバッサバッサを切りまくれて爽快。
敵のガードを崩すまで少々の苦労はありますが崩してから削りは気持ちよすぎ。
敵の攻撃を寸前でかわすのもガードを崩す方法の1つでこのタイミングがそこまで厳しくないのも良い。

 

基本1vs1に特化したアクションなのですが1vs複数の状況でも対応しやすくカメラが自動で動いてくれます。
ターゲットロックがオプションにあるけど必要ないほど。


■フィールド
その自然描写は筆舌に尽くしがたい美麗さ。
絶景の連続にスクリーンショット撮影しまくりですよ。
江戸時代の北海道の自然を再現、といっても現実にその時代を見てきたわけではないですが開発陣は現代を北海道をきちんとロケーションされています。

もうね・・・
日本人の私が想う日本が誇れる美しい絶景の1つがこのゲームの中にあります!
ゲームの中で季節の移り変わりはありませんが天候や木々の違い気温や舞台の移り変わりを感じ取れる表現も素晴らしい。

フィールドにはサブイベントや主人公の能力をアップさせるためのポイントがあちこちに。
それらが雑然と散らばっているのではなくヒントを交えながらプレイヤーの考察力に委ねられているので探索しがいがあります。
ヒントもわかりやすくそこまで探し当てるのが面倒でもないバランスも絶妙。

 

本作はオープンワールドゲームにありがちな「寄り道するとちょっといいことがある」、のではなく「ちょっと寄り道するとすごくいいことがある」造りに。
ちょっと寄り道するとHPや気力の上限アップ、技が1つ増えるなど寄り道が止められません。
その合間に小遣い稼ぎや人助けもあり遊びの要素が詰め込まれた密度濃い目のオープンワールドに美麗さが加わっているのだから探索が面倒と思ったことは皆無です。


■キャラクター
ツシマ同様、主人公や脇役のビジュアルは好みではない人は多そう。
私もそう感じているし和ゲーのような美男美女ではないですし。
しかし舞台が日本でキャラクターは日本人、となると ↓ のビジュアルの説得力とカッコよさがたまらなく良いのです!

この篤に魅力がないなど誰が言えようか。
主人公だけでなく敵や脇を固めるキャラクターも魅力的。
その描きかたはどこかドライな洋ゲーちっくでもなければアニメアニメしている和ゲーちっくでもありません。
現実味が濃く善悪の差はありますが実に人間らしい感情を持って行動します。

 

当時の人の命の重さ、そして軽さの描写が海外産とは思えないほど重厚。
勉強不足なので当時はここまで殺戮が簡単に行われていたのかはわかりませんが妙にリアリティがあります。
逆に刃物でバッサバサ斬られてるのに重症にはならない主人公やキャラクター達の怪我のリアリティさは欠ける点はありました。

前作が大作時代劇映画とするなら本作は大作時代劇TVドラマといった感じ。
なかなか六人衆を討伐させない展開はじれったくもありますがそこを乗り越えて追い詰めた時の到達感が半端ないです。

■ビジュアル・BGM
自然描写の美麗さはなんども書いたので割愛。

ツシマより切断表現が控えめかな?
そのぶん流血表現は倍増しているような。
三池モードにすると流血が増えるのかよくわからないことになったので三池モードはオフでプレイ(笑)
流血表現はオフにもできます。

ビジュアルは各所でべた褒めされているのでそこは任せるとして私はBGMの素晴らしさも大絶賛したいです。
ゲームの世界観にビッタシはまっているBGMの数々。
ただ流すだけではなく流すタイミングや箇所への気の使い様でゲームはますますドラマチックに。
コントローラーの振動まで音楽とリンク。
要所要所で挿入される日本語の歌唱にも聞き惚れます。
EDの演出やBGMも荘厳でゲーム内容への賞賛の気持ちもあり音楽の合わせて手拍子しながらEDを観ていました。

 

■日本語ローカライズ
テキストやボイス面に関しては満点!
そこらの和風和ゲーより和ゲーしてる。
一度だけ喉を掻き切るシーンで暗転したけど規制?気のせい?

■PS5
トリガー抵抗は面倒なのでオフに。
振動は環境だけでなくBGMにも連動していて良き使われかたをされています。
タッチパッドのスライドが使われかたが情緒を感じるやりかたで効果的に。
ファストトラベルのロードも一瞬。

■その他
物事の描写が丁寧なのはよいのですがメッセージ送りができないことが相まってゲーム進行のテンポはややゆったりした風に感じます。
戦闘や移動はスピーディなのですがところどころで起こるイベントやミニゲームはたっぷり間をとって展開。
良くいうと情緒あるテンポなのですが早く先に進みたい!とじれったくも感じました。
が、忙しい戦闘や移動の合間に時間をかけて描かれるカットシーンやミニゲームのゆったりとした”間”がいいんですよねぇ。

批評を書く以上どこかしら欠点も書きたいのですが・・・ストレスを感じるような欠点が皆無に近い(笑)
人と話すときやモノを調べるときターゲットがややしづらい、
進む方向を示す風がちょっとみにくい、
くらい?
欠点ではないですが
ゴールデンカムイが好きだったので期待していたアイヌの描写が少なかったことはちょっと残念。

個人の復讐劇ということで物語は少々地味ですが攻城戦や合戦はド派手に描かれるのでドラマ性は抜群。
最初に書きましたが何も言うことはございません。

これはもうプレイアブルな芸術作品です!


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