個人的ベストゲームを挙げろと言われてもどれか1つに絞ることはできませんが5つと言われたら「うたわれるもの 三部作」(3本で1つだけど)は5つの中の1つに入れるタイトル(シリーズ)。
前作斬1は偽りの仮面をライトに追体験するゲームでした。
今作は多少ジャンルやゲーム性が変わり追体験+αの内容。
ただ完全追体験とまではいかず。
前作や無双とは異なり一度に出現する敵はかなり少なめ。
今作にはバックアタックやカウンター、敵のコンボ終わりに攻撃を合わせると大ダメージなど視野が開けていないと活用できないシステムが多数。
そのために敵の数を減らしたのだと思いますが一騎当千の爽快感は薄めに、テクニックが活かされるアクションゲームに生まれ変わっています。
無双系は無双系と例えられることが揶揄しているともされますがジャンルはRPG+テクニカルアクションゲームに転身した試みはチャレンジング。
ですがノーマルの難易度(=もっとも低い難易度)が簡単すぎ。
せっかくのオフェンス・ディフェンスのシステムがノーマルの難易度で台無しになるのはもったいない。
ストーリーモードは敵を倒しながら進むことだけが目標なので無双系より何にも考えなくてもほとんどのステージをクリアーできます。
テクニカルに楽しみたければ難易度を上げることを推奨。
その分見返りも大きくなります。
ただ難易度を1つあげただけでも簡単にうたわれるもののストーリーを楽しみたい方には少々難儀な難易度になりますがこちらのほうがやり応えもありアクションゲームとして楽しい。
キャラクターは可愛らしく手足が短めでも動きのわかるアクションをしてくれます。
15人以上いるキャラもそれぞれ溜め、打ち上げ、ディレイ、カウンターなど個別に特殊動作がありしっかりと個性付けが成されています。
テクニカルなアクションゲームに舵を切ったためか前作以上にクセが強く慣れるまで使い辛いキャラが半数以上。
それもこれも後述するキャラの位置のわかり辛さのせいなのですが。
体験版での拠点や戦闘時のぎこちなくフラフラしたカメラワークはアップデートで改善されている模様。
ボスや自分の位置がわかりにくすぎるのは変わっていません。
原因はキャラの上に表示されるHPバー。
自分・味方・敵・ボスごとにHPバー表示のオンオフができればかなり改善されるのでは・・・どうかアップデートを。
これだけでも今作の評価はグンと上がるはず。今のままでは見辛すぎる。
装備アイテムに武器や防具といった要素は無くその代わりに巻物集めが主に。
同じ種類の巻物でも付加価値がついていたりとハクスラに近い形なのですがノーマル難易度だと高性能のモノが出る確率はほぼ0%。
成長要素にはスキルツリーがありますが1つの項目をさらに強くするほうが目に見えて強くなるのでスキルツリーで悩むことはないかと。
追加要素「とらのあな」はダンジョンを潜って進んでいくやりこみ要素ですが進めど余り代わり映えがありません。
突入するための代価は必要になりますが5層ごとに脱出できるので気持ち的に楽。
脇役、敵役が仲間として同行してくれるのは素敵。
DLCでプレイアブルにしてほしい。
イベントは原作ではテキストだった部分が3Dモデルを使ったイベントシーンに。
このキャラも3Dにしてくれるんだ!(というか、そのキャラをださないとイベントにならない)というイベントもあれば名前だけ出て終わりのキャラも。
原作で涙したシーンは今作でもしっかり泣けます。
派手な立ち回りはしませんが見せ方、演出が上手い。
拠点では仲間の日常が垣間見えたり会話することも可能。
歩き回るのはいい息抜きになりますがイベントというほどのものはないのが残念。
目玉の1つである新規シナリオは本編の裏で起こっていた些細な出来事、くらいの趣き。
原作はテキスト量も膨大な量でしたが大きな出来事や事象が1~2行の説明であっさり進むことも。
端折られているところも多いので原作をプレイしていないと所々状況が把握できないかも。
あっちこっちを転戦していくのですがどこでなにをしているのか、するのか、を全体地図上での説明は欲しかった。
原作は究極の泣きゲーでしたが今作は思い出し泣きゲーといった感じ。
1つのイベントシーンまでの過程が大幅に省略されているのでかなりの思い出補正が必要。
今作でも泣けたけど屈指の名キャラ・マロロの魅力・苦悩・悲哀は1/10も描かれていない。
アニメ二人の白皇(続報まだー?)の前にゲームでおさらいをしたい、でも配信中の「AVGパートだけ」を見るのも味気ない、でも原作をやりなおすのは長すぎる、な自分には見合った内容でした。
ハクの声は藤原啓治さん、追加シナリオのパートは利根健太郎が担当。
まったく違和感無し。
お見事!