「スニーカー文庫」「ファンタジア文庫」「電撃文庫」「ファミ通文庫」「MF文庫J」 角川ライトノベル編集長座談会。「アニメも含めたメディアミックスを考え直すべき」

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ニュータイプ11月号より

ファミ通「ファミ通文庫はゲームの原案提供やシナリオのディレクションなども作家さんと手がける、あまり小説という形式にこだわらないレーベルとして活動している。必ずしもライトノベルのファンだけがライトノベルを読んでいるわけではないという考え」
ファンタジア「スニーカー文庫さんは自由な印象。編集者の顔が立っている本を作っている」
スニーカー「ただの無法地帯です。編集長でも個々の編集者を制御できない(笑)」
「基本的にはジャンルを絞らず編集者が面白いと思っているもしくは売れるという自信のある企画であれば通すという方針でやっている」
「電撃文庫さんは自ら流行を作るイメージ。電撃文庫で売れたものがライトノベルの次のブームになる印象」
ファンタジア「媚びないレーベル。自レーベルが出たものであってもヒット作の後に企画をやらず違うジャンルでのヒットを目指す」
MF「王者の風格」
電撃「そんな(笑)面白ければなんでもありが基本スタンス。各編集の裁量がとても強くメディア展開も含めて自由なところを好意的に見ていただけるのでは」
ファミ通「今の大人も子供も電撃文庫読んで育った感じがある。
MF「電撃文庫さんはいつも業界の先陣を切っていかれるので後をついていくのに必死」
電撃「私からするとMF文庫Jさんはラブコメ作品がとても強くどれも設定やキャラクターが本当にしっかりとねられている。このジャンルで太刀打ちするのは大変」
MF「ヒロインにはたしかにこだわりが有る。新しいヒロイン像を作ってみたい」
ファンタジア「MFさんはこびるレーベル。悪い意味ではなくヒット作を分析、解体して自レーベルに落とし込むかに長けている理系的」
MF「 編集部全体では理系出身の編集者が多くてそのせいかデータへのこだわりが強い。しかし方針は愚直に中高生が楽しめるものを追い求めることが唯一無比。売れ線を追いかけることを指示しているわけではない」
ファンタジア「基本的には読者目線の考えで作品を作ってほしいと個々の編集や作家には望んでいる。具体的には”願望充足”と”カタルシス”その2点をどんな作品であっても入れ込むようにしてほしいと」

新人作家の発掘について
MF「基本的に自分たちで新人賞を運営し作家さんを育て一緒にヒット作を作って行くのが大方針」
スニーカー「日々新しい作家を探している。ただ小説投稿サイトから作家を見つけてくる時に一ついっているのは”才能のポイ捨てをしない”ということ。サイトで人気の出た作品の書籍化だけではなく次の企画も一緒にやれる人に声をかけて、と」
電撃「 うちも9割5分が電撃小説大賞出身作家。受賞作家さんと、あとは賞に漏れた方でも声をかけて、育てて、出して、売って、それを読んだかたにまた応募してもらうというサイクルを回し続けていきたい」

メディアミックスについて
電撃「基本的には作家の露出が作品の露出が増える。作品を読者に知ってもらうためのツールとして大事なものだと思っている」
ファンタジア「難しい質問。最大公約数的な宣伝ツールで編集部としてもポジティブに考えたい。ライトノベルは正直な話注目浴びているジャンルではないと思っている。若い子の間ではスマホがエンターテインメントの中心。その層を振り向かすという意味ではアニメ化は非常に重要。しかしただアニメ化すればいいのかと言うとそれも違う。新しいアニメ化の形を積極的に考えた方がいいと感じている」
スニーカー「率直なことを言えばスニーカー文庫はこのすばのアニメの人がヒットしたことで息を吹き返したレーベル。今は放映の半年前にアニメ化決定と帯を巻いて書店に並べてもそれだけで売れない。アニメが始まり内容が面白かった時やっと本が売れる。アニメのスタッフと一緒にどうやったら面白いアニメを作るかが以前より問われている」
ファミ通「メディアミックスというとアニメ化のことを指しているかどうかと思う。別に実写化でもゲーム化でもいい。本が売れなくて次にどうしようという時、必ずしもアニメ化でなくてもいい」
MF「メディアミックスと言うともう古い感じがする。アニメはゴールじゃない、コミカライズもゴールじゃない、原作を無事に完結させることもゴールじゃない。アニメ化せずに違う展開で最大化できる道があるのであればそれを選びとればいい。作品によって全然違うと思う」

作家志望の皆さんにメッセージ
電撃「自分の考えた話をアニメ化したいと考えたとき監督やシナリオライターを目指すのもいいですが小説という主題にも目を向けて欲しい」
ファンタジア「面白いことを思いついたら誰かに伝えたくなるものですよね。そんな気楽な気持ちで投稿してもらえたら嬉しい。編集者は優しいですよ(笑)」
スニーカー「 ジャンルにはあまり気にしていない。見るポイントはその人にしか書けない文章を書いているかどうか」
ファミ通「自分の能力を一番活かせるのがどこか?と考えながら書いてもらえるといいかなと思う」
MF「作家になりたいと思ったら自分のなかの”面白い”の感覚を最後まで突き詰めてもらいたい。デビュー作ならではの自由を最大限に活かして自分がこれだと思うものを。と 願わくばデビュー後にいろいろなしがらみができてもその気持ちを忘れないでほしい。自分だけは絶対に面白いと思える自信のあるものを長く書き続けることを意識しながらライトノベルの世界に飛び込んできてほしい」

いろいろラノベがあってもレーベルによって違いは様々。個人的にはタイトルの順で言うとライトSF、SFファンタジー、王道ファンタジー、ライトゲーム、とにかくヒロインといったかんじ。
ラノベを選ぶ時はレーベルはさほど気にせず選んでますがイラストで選ぶことも正直あります。その点は座談会では触れられず。
本日は電撃文庫祭りが行われましたがやっぱり期待していたのはアニメ関連で作品自体の続報にはそれほど注目しないで生放送を見ていました。
実際アニメ化されても話題になるのは作画崩壊やSNS炎上と悪い面で盛り上がることが多いような。
ライトベルの今は”群雄割拠”といえば聞こえはいいですが”粗製乱造”と思われないようこれだけのレーベルをもっているKADOKAWAには厳正な新人の発掘や出版をハードルを下げずに頑張って欲しいですね。


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