前作がブレスオブザワイルドのスピンオフとするならば今作はティアーズオブザキングダムのスピンオフ。
ティアキンの要素、ゲームシステムやキャラクターを無双アクションに上手に落とし込めてはいます。
前作でも感じたゼルダと無双の相性の良さ以上に悪さが露呈してしまっている箇所はありました。
■アクション
まず気になるのは武器の多くがビジュアルと攻撃範囲が大きくかけ離れていること。
魔法や衝撃波だと思えばいいのですが普通の片手剣でも遠くの敵に攻撃が届きます。
爽快ですが斬る、殴る、魔法で焦がす、というより”見えない圧”でなぎ払っている感が強い。
次に気になるのはカメラ視点。
視点が目まぐるしく変わり迫力ある演出はかっこいいのですがエフェクトの派手さと勝手にグルグル回転することがあるカメラのせいで状況がわからなくなることが頻繁に起こります。
今まで無双で酔ったことなどないのですがちょっとだけ不快になることも。

さらに気になる(笑)のは攻撃アクションがQTEっぽい操作が多々あり、そのQTEっぽいアクションを要求されることが多く攻略の要になっていること。
敵のウィークポイント(他のゲームでいうとスタミナやバリア?)を削りきってようやく敵のHPを大きく削ることができるのですがそのタイミングは画面上に表示されたときにボタンを押すことで発動。
キャラによっては通常攻撃のコンボ中にボタンの目押しが必要となる攻撃も。
特殊アクションも指定されたボタンを押すことが発動条件だったりと直感的な操作で遊べるアクションゲームとは言い難いです。
攻撃エフェクトが派手すぎてなにをやっているのかわからなく場面が少なくないです。
強攻撃用のXボタンはYボタンの弱攻撃を押したあと発動するのですがXボタンは単独でも特殊攻撃が発動。
YYYYYXと押したはずがエフェクトで自身が見えにくいのでYYYYYYX→XやYYYYYYY→Xと出すつもりのないXボタン特殊攻撃をしてしまうことが多かったです。
派手すぎるエフェクトも特殊アクションをだすために押す「指定されたボタン」だけは目立つように表示されているのは救い。
押すべきボタンはランダムではなくアクションによって固定で受付時間は長め、厳密にいうとQTEとは違います。
酷評されがちなゲーム中のQTE要素。
私は嫌いではないです。
中にはストレスが溜まるQTEもありますが通常操作ではできないアクションがみれたり見ているだけのシーンに介入できる要素でもあるので。
本作の「QTEっぽい」操作はミスしてはいけないものでもなくアクションの幅をわかりやすく広げているための要素です。
そのウィークポイントを削るアクション性はなかなかHPが削れないジレンマもありますが削るためのアクションが多彩で成功したときの効果は絶大。
効果音もよく気持ちよさはかなりのもの。
その気持ちよさが連続して起こり攻略中に感じる様々な欠点は吹き飛ぶほど。
■フィールド
残念ながらオープンフィールドではありません。
真三国無双8のオープンフィールドは好評ではなかったようですが私はそこまで嫌いではなかった。
本作で再びオープンフィールド無双にチャレンジしてもらいたかったけどさすがに無理だったか。
エリアは広くても広大というほどのステージはなく、キャラの移動は若干遅め。
ファストトラベルもあるにはあるのですが最近の無双シリーズで重視されている「戦場を駆け抜ける」スピード感はなし。
高速移動できるゾナウギアもあるのですが高速すぎて操作がおぼつかない(笑)
フィールドにはパーティを複数人で組んで出撃。
簡単操作で離れた場所に沸く敵をキャラごとに指示を出して各個攻撃を開始させられるのは便利。
攻略中にキャラクターがセリフで状況などを教えてくれるのですがこれのほとんどがテキストで左下に表示されるだけでボイスが無いのは困りもの。
読んでいる暇もないのに。
空・地上・地下とエリアがあるのはティアキンらしくてヨシ。
1つのフィールドを攻略中には行き来できれば尚よかったのに。
別ゲーになる3D・2Dシューティングステージは作りこみに甘さを感じましたが気分転換にちょうどいいステージでした。
■ストーリー
ティアキンに繋がる物語、ということで大事なのはわかっている結末よりもその過程。
ブレワイやティアキンから大きくぶれるわけにもいかなかったためかサプライズや感動するシーンはありませんでした。
ゼルダを中心に物語が動くわけでもなくガノンドロフの攻勢にキャラクター総出で立ち向かう物語。
「主人公誰?」「誰の物語?」とキャラクターに感情移入する間もなくストーリーは粛々と進行。
メインストーリーを描くカットシーンがやや冗長。
なのにゼルダの朗読のみで済まされてしまうイベントもあったりとちぐはぐ。
メインストーリーではないサブシナリオで各キャラの深堀はされるのですが開放に条件があったりと面倒ですが育成につながるのでやりがいはあります。
メインストーリーだけ追うとあっさり目ですがサブシナリオや寄り道のバトルの数が膨大。
ゲームではティアキンのフィールドの広さは感じませんがサブバトルの豊富さで本作の舞台の広大さは感じられます。
キャラの攻撃方法増加や強化はサブイベントクリアが条件なことも多くお気に入りキャラをより強くするために寄り道が捗ります。
メインシナリオのステージは15分以上かかることも少なくないのですがサブイベントのステージは5分程度でクリアできるのも良い。
■キャラクター
ゼルダを始めプレイアブルキャラはゲームを進めると15人以上になります。
アクションはキャラクターごとに攻撃方法に個性がありキャラクター分のアクションが楽しめるといっても過言ではないのですが、
前述したとおり結局のところウィークポイント削り重視のアクションゲームなので無双ゲームにありがちな「どのキャラでも同じことやってるだけ」と感じてしまうことも。
その削り手段が多彩で成功したときはかなり気持ちいいので退屈にはなりませんでしたが。
ブレワイやティアキンのビジュアルになんの抵抗もなければ問題ないのですがクセが凄いキャラクターデザインにイマイチ馴染めない人(私)はより感情移入しにくい。
それでも謎のゴーレムはかっこよく、クソガキカラモのキャラクターは楽しめました。
ラナリアは癒し。

■グラフィック・パフォーマンス
描写される敵の数は多めでそれでいて綺麗、それでいてパフォーマンスも快適。
某ボス戦で動作が重く感じることもありましたがヒットストップの演出が多いゲームなので演出だったのかもしれない。
派手派手なエフェクトは視覚を遮られることも少なくないですが美麗。
一度に表示される敵の数は多いのですが同じ敵キャラばかりになるのは処理の関係なのか、単に敵キャラのバリエーションが少ないからなのか。
ステージ開始前のロードも短め。
ステージが始まればロードもなし。ゲームパートは問題ないのにカットシーンが妙にボヤけててヌルヌルに感じないのは残念すぎる。
BGMがどれもイマイチ、
あまりはっちゃけるとゼルダの世界観を壊してしまうからでしょうが・・・。

■その他
前作からの改善点や変更点も多いので続編といううより新作感覚で遊べました。
ですが本作は良くも悪くも無双。
無双ゲームならでは楽しさはもちろん内包していますが無双ゲームならでは、のプレイがマンネリになってくることもありました。
難しく考えることなく遊べるのが無双ゲームの良さですがもう少し難しく考えさせてくれてもよかった。
個性あるキャラクターごとのアクション、多彩なウィークポーント削り方法、膨大な寄り道ステージが本作のプレイをマンネリになりにくくしています。
昔の無双タイトルのように飽きてきたり同じことの繰り替えしをやらされている感は薄めでした。
フィールドはそれほど広くもなくウィークポイント削りが要になりすぎているので昔の無双のように「何も考えずにボタン連打で爽快!」なプレイヤーには向いていないかも。
ブレワイ、ティアキンが合わなかった、2作とも未プレイの人はもっと向いていないかも。
かといってコアなゼルダファン、無双ファン向けでもない。
ライトに両者を楽しんできたプレイヤーなら本作は違和感なく受け入れられるでしょう。
ゾナウギアをばらまいてウィークポイントをガンガン削るなどと本作のゲームシステムへの理解度が増すほど攻略し甲斐が増していきます。
ちょっと等身の低めのキャラクター揃いですが”圧”で敵をなぎ払うので爽快感は健在です。



