PS5【RISE OF THE RONIN Z.Ver】クリアー後感想 ※ネタバレ控えめ ゲームは他者よりも己のプレイを重んじる

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発売2週間前くらいまで購入予定でもなければ注目もしていませんでした。
発売が近づくにつれ出てくる事前情報を眺めているうちに俄然期待が高まってきて同日発売の注目作の新作タイトル群からまずは本作を遊ぶことに。
そんな期待値の低かった反動のおかげもあるのかもしれませんが、
『面白かった!』
いや、クリアーしたとはいえまだ100%遊びきったわけではないので
『面白い!』
か。

幕末の史実を基にプレイヤーともう1人のオリジナルキャラクターが絡む物語、
遊びが散りばめられ密度が濃くストレスの少ない広大なオープンワールド、
攻略に幅を持たせ飽きることなく心地よい緊張感もある剣劇アクション、
ファンタジー要素や史実を大きく逸脱した技術描写がなく地味目でどれもがずば抜けて凄い!というわけではないのですが、どれもが平均点以上に仕上がり凝縮されています。
死にゲー色が濃いのかと思っていましたが敵の攻撃は激しいものの対応策や回復がマイルドに作られていて攻略しやすくなっています。

【戦闘】
基本アクションは大雑把にいうと「仁王」に近いかも。
仁王と同じチームニンジャ開発という事で難易度も仁王級の死にゲーと思われていそうですがそれは誤り。
難易度はゴーストオブツシマと同程度じゃないかな?

アクションによって消費するスタミナ管理が重要。
「石火」という敵の攻撃に合わせて出すカウンターアクションが本作の戦闘の要。
死にゲーの上級者プレイ動画で「これは自分には無理」を舌を捲くパリィのような捌きが本作では割と簡単にできます。
この「石火」を出さなければいけないタイミングが敵の攻撃によって千差万別。
そのタイミングを見切る緊張感とリスクを成功したときの爽快感がかなり上回っているので戦闘1戦1戦がもう、楽しいのです。
敵によって武器や流派が様々、プレイヤーはそれに有効(画面に表示されるので一目瞭然)な武器や流派を選択(メニューをひらかなくても一瞬で交換可能)しバトル。
戦闘が多めの本作ですが敵1人1人に対応した武器や流派を選んでのバトルは戦闘1つ1つに幅広い戦略で挑めるのでなかなか飽きません。
壁際などでのバトルは自キャラが隠れがちで石火もやりにくくなるのは難。
そこから見晴らしのいい場所に逃れるのもアクションの戦略の一つでもあり”カメラに難あり”とまでいうのは酷かな。

なにより驚いたのは人体欠損描写が多いこと。
トドメを刺した雑魚は頭手足がポンポン欠損して欠損した部位がそこらに転がります。
さすがに不味いのか欠損した部位は一定時間がたつと消滅しますが。
Zverとはいえ・・・いいの?
チームニンジャさんガンバッタ。

【ストーリー】
幕末時代の横浜や京都などで実際に史実どおりに物語は展開。
プレイヤーはまず2人アバターを作ることに。
物語を進めるとそのどちらかを主人公として選ぶことに。
選ばなかったほうはプレイヤーの敵(片割れ)として登場。

何故こんなことになっているのかというと、
本作はプレイヤーの選択でどの派閥につくかが変わったり史実とは違う行いをすることが可能。
しかしこのゲームは史実を大きく変えることはできません。
プレイヤーが史実と違うことをすれば片割れが歴史を修正するかのように史実の流れに戻す行動を、
逆に片割れが史実とは違う歴史改編になる行動をしようとしたらプレイヤーが止める。
といったかんじ。
このゲームならではの史実体感が実によくできています。
史実をプレイヤーが間近で体感しながら歴史や過程を選択できる高揚感もメチャクチャ高いです。
実在した人物が中ボスとして登場したり共に戦ったりと史実への没入感にドハマリします。

プレイヤーは選択によって倒幕派、佐幕派に新撰組などいろいろな思想の団体にどう深く関わるのかが変わってくるのですがどの選択がどの派閥よりになるのかはわかりにくかった。
それでなんだか倒幕するつもりないのに倒幕よりに進んでる・・・と感じたら巻き戻って選択を選びなおす要素もあります。
この要素「留魂録」が秀逸。
他ゲームでいうと1度クリアした章を選んで戻って再プレイするような要素ですが違った選択肢を選んだ場合だけを体験することもできればその後の物語全てを違った選択肢を選んだ場合に塗り替えることもできます。
かなりボリュームのあるゲームですが周回することなく様々な展開を体験できるようになっています。
ボリュームもたっぷり。
全体の収集率は約30%程度の寄り道をしかしていませんがストーリークリアには45時間以上要しました。
プレイ時間稼ぎのような退屈なサブクエストよりも歴史上の人物との交流クエストがかなり多めなのも良い。

全員の個別エピソードを見ようと思ったらストーリークリアは100時間以上かかりそう。


【キャラクター】
実在した歴史上の人物が多数登場(50人以上?)
あんな人やこんな人、幕末モノでは著名な人物から著名を超えるとんでもない大物まで登場。
彼らと戦ったり共闘したり交流したりと幕末モノ好きにはたまらないでしょう。

顔グラフィックや衣装は本作独自の解釈のモデリングで造られたキャラが多いようで「幕末にこんな恰好してる人はいないだろ」と感じるような衣装のキャラは少なくありませんがその分、容姿と名前は一致しやすい。
声優陣の熱演もキャラ判別に大いに貢献。
ストーリー上、NPCと行動を共にするシーンは多いのですがこっちが走り出すとNPCが先導して走ってくれるのでストレスはなし。
メインストーリー以外に各キャラとのサブクエストも豊富で歴史上のキャラと交流は偉人(そうでないキャラもいるけど)相手だからなのかどこか緊張します。
戦闘ミッションでは共闘することも多いのですがその史実のキャラに操作を変えることも可能。

【オープンフィールド】
横浜、京都、江戸などがありますが各都市は別エリア扱いで直接繋がってはいません。
どこも広大、かつ様々な要素(町開放、ネコ探し、サブクエ、NPCとの交流、名所巡り、撮影ポイント、お尋ね者などなど)がビッチリと密度濃く散りばめられていて探索に間延びはなし。
ただサブクエストや町開放などほとんどが戦闘によって解決することが多くもうちょっとバラエティに富んでいてもよかったかな。
本作の戦闘自体が面白いので大きな不満ではないのですが。

幕末ってこんなに荒廃していたの?と感じるくらいの世紀末感を感じさせるエリアもあったりただ美しいだけではない描写に胸が痛くなります。
街中を歩く人が少なく感じたけど当事の人並みとか実際に見たことないし実際はどうだったんだろう。

特殊な移動手段には馬、ハンググライダーのような滑空、鍵爪をつかったワイヤーアクション。
この馬の操作感が素晴らしい!
ほぼどこでも呼べてすぐ乗れて操作もしやすく移動も早い。
乗り物なんだから当たり前じゃない?といわれるかもしれませんがストレスを感じる乗り物が実装されているゲームはかなりありますよ!?
ハングライダーは高所からでしか使えず、鍵爪も使える場所は限定。
使えば便利だし楽しいのですが侍というより忍者っぽい要素。
設定上プレイヤーは剣術と忍術を教え込まれたキャラなので間違いではないのですが、もし本作がガチガチの侍ゲーだと期待してプレイすると違和感を感じるかも。

オープンフィールドゲームですが要所要所で始まる戦闘ミッションはオープンフィールドほど広くはない箱庭系になります。
この切り替えも実に良い。
広さや環境描写にこだわったオープンフィールドとは別の索敵やボス戦に特化したつくりになっていて遊びかたが変わる点でもメリハリができています。

オンラインに繋いでいると他プレイヤーっぽいキャラが歩いていたり他プレイヤーが放ったっぽい犬がこちらに来たりする事があるようですがそこまで刺激的な要素ではないかな?
戦闘ミッションでの共闘も可能ですがNPCでも結構頑張ってくれます。

【音楽】
普段のBGMは大人しめで環境音を聴きながら過ごす場面が多く風情があります。
なにやら怪しげなシーンは怪しげなBGMや戦闘時は激しいBGMが。
主に和風の楽曲ですがゲームにマッチしていて違和感はなし。
剣劇の効果音も良く石火の爽快感を高めてくれます。

PS3全盛期頃でしょうか、オープンワールドタイトルに良作が生まれ「オープンワールド」というだけで期待が高まるものでした。
それがPS4のころになると「オープンワールドってゲームの面白さの足をひっぱってない?」と疑念をもたれる様に。
ロードが長かったり広大なエリアを引き換えにゲーム性・ストーリー性やグラフィックを犠牲にしていたオープンワールドタイトルは少なくありませんでした。
それが現世代機になりロードの改善されオープンワールドとゲーム性の両立も可能になってきました。
ゴーストオブツシマは外国の方々でしか作れないであろう日本が舞台のオープンワールドでしたが本作は日本のメーカーでしか作れないであろうオープンワールドと誇れるものになっています。

もう1つ本作を通して感じたことは
『なぜ死にゲーにしなかったんだろう』
死にゲーのような難易度やシステムにして欲しかったわけでは決してありません。
世界市場的には死にゲーのほうが注目が集まりやすそうで販売本数的にも伸びそうなのに。
戦闘ミッションでは体力&回復アイテムの回復をする場所がありそこに触ると敵が復活するなど篝火のようなシステムが実装。
そこの最後に登場するボスも難易度を跳ね上げて死にゲーにすることは容易だったはず。
実際難易度が跳ね上がったモードもあり。

幕末の史実は大体知っていて展開の予想もつくのにプレイヤーが作ったアバター2人を絡めたストーリーの妙は先を先を見たくなり敵の強さにも行き詰ることはほぼありませんでした。
剣劇アクションもそこまでスタミナに気を使うことなく軽快に動かせます。
ストレスが極めて少ないままエンディングを迎えて制作陣に伝えたいことは
『死にゲーにしなくてありがとう!』


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