スクエニが好んで採用するようになったHD-2D。
特に今回はHD-2Dの始祖といってもいい浅野チームの作品。
期待するなといわれてもそれは無理。
そのHD-2Dのビジュアルにも慣れてきて視覚での驚きや感動も薄れてきて今回はその先を見せてほしかったところ・・・
ですがそれは叶いませんでした。
HD-2Dのビジュアルは向上しているものの他のほとんど全てが凡庸。
どこかで見たような遊んだようなアクション、ギミック、敵、ボス、音楽、ストーリーなどなど。
本作ならではの個性やアイデアがほぼ無いのです。
凡庸は言い過ぎかも。
アクションの手触りはよく弩王道なストーリーやキャラクターにはまぁまぁ魅き込まれます。
面白かったか面白くなかったでいえば・・・間違いなく”ヨカッタ”です。
面白かった!とまでは感嘆するほどではないのですが癖の無い丁度いいアクションゲーム。
褒めてない?
いえ、褒めてますよ(笑)

■アクション・システム
懐かしさも感じる見降し視点の2Dアクション。
カメラが引き気味で迫力には欠けます。
2Dゼルダのようなデフォルメキャラでも敵との間合いを計っての緊張感ある剣戟バトル、とまでは至ってなくややアバウトな剣戟バトル。
主人公の攻撃は主に近接攻撃。
敵に当たったときのヒットストップや押し戻しが短く(伸ばせるアイテムもあるにはある)連続攻撃中に反撃をくらうことがあります。
ヒット&アウェイを主軸としたアクションゲームとも言えるのですがパリィの要素があったり回避がなかったりとチグハグ。
そのパリィの要素も視点や演出のせいか決まったときの爽快感が薄め。
操作性は良いのでヒット&アウェイの駆け引きには熱中できます。
数種ある武器をプレイヤーの好み次第でコンボが繋げられるのは気持ちがイイです。
序盤は不満に感じる、ストレスが溜まる点が多々あります。
・ドロップアイテムが拾いにくい
・草むらに入っただけで移動速度が遅くなる
など
それらはゲームを進めると装備アクセサリで解消できるようになるのですが装備枠に上限があるのがかなりの難。
武器や魔法の変更はリング状のメニューを開くかワンボタンで順番にチェンジしていく方式ですがどちらも使い勝手がいまいち。
リングを開いてスティックを倒したほうにチェンジ→スティックを離すと通常画面でいいのにその間に数回決定やキャンセルボタンを押す必要があります。
せっかくの複数の武器や魔法があるのにもったいない
変に癖がなく、よく言えば遊びやすい、悪くいえば他の良きアクションゲームに似ていて個性は薄め。
■フィールド・ダンジョン
数も増えてきたHD-2Dタイトルの中でも美麗です。
しかしその美麗さが災いして見辛い箇所が多めです。
次の目的地やダンジョン内でプレイヤーを導く導線の造りがイマイチ。
こっちの道で合ってる?本当に合ってる?と不安になることが多く
メインストーリーを進めるためにフィールドを歩いているとダンジョンや洞窟がちらほらと。
探索してみるとストーリーとは無縁で無駄足(いろいろ稼げはしたけど)を踏むこともよくありました。
ちょっとした段差も昇降できない、ちょっとした柵も越えられない、昔のゲームなら当然でしたがそういう所も引き継いだうえに、
ファストトラベルできるポイントも不親切でマップの見辛さも加わり移動やサブクエスト消化はストレスでした。
■キャラクター
主人公はエリオット。
完全新規のタイトルで完全新規のキャラクターですがどのようなキャラかは序盤で大体把握できます。
性格に嫌味なところや拗ねたところもなく好感はもてる主人公。
逆にいうと面白みのないキャラクター。
本作はほぼフルボイスでこのエリオットはま~~よく喋る。
感情移入はしにくくなっています。
体験版第一弾でSNSで好評だった妖精フェイのかわいらしさは健在。
こちらもよく喋りますがオプションでおしゃべりを抑えることも可能。
出番が少なくても重要なキャラにはベテラン声優が務めていたりします。
キャラクターのバックボーンが描かれなくても声優の演技でそのキャラの重みがわかる、やっぱり声優とそのボイスって凄い。
キャラクターはドット絵で描写されていますが動きや描写はインディーのほうがもっと頑張っているような。
2Dを頑張った上でのHD-2Dならいいのですがその頑張りが2D面で足りていない、ドット絵職人の少ない今の時代が悔やまれます。
■ストーリー
弩王道なファンタジーRPGらしいお話。
王道すぎて先が見透けてしまうのは難ですが先が見たくなる牽引力はあります。
終盤驚きの展開もありますがソコまでが弱かったのは凄く惜しい。
4つの時代をいったりきたりしながらお話を進めていくのですがタイムパラドックスを気にせずタイムリップの良いこと取りだけをした進行は都合がよすぎる感じ。
時代ごとに様々なキャラがいてそれぞれのストーリーやサブストーリーが多々あるのですが胸うたれるイベントは少なめ。
HD2Dだから、というわけではなく前述した「どこかで見た」お話ばかりなのです。
真ラスボス戦~エンディングは多いに盛り上がりました。
ナンダコイツ?って感じのラスボスでしたが。
そこまで琴線に触れてくるシーンが少なかったのはやはりHD-2Dが悪いのではなくそこまでのシナリオの魅せかたが上手くなかったのかと。
本作はゼルダをスクエニライズし物語やキャラクター性を強めた作品といってもいいのかな?
それならばそれでシナリオ面はもっと練ってほしかった。
■ガチャ
古めかしい箇所が多い本作ですが今風といえば武器の特性や能力アップアイテム入手方法がゲーム中に拾った石で回せるガチャ。
不満はないのですがそのアイテムの装備数にも上限があるのは・・・。
■Switch2
体験版での携帯モードでの画質が好みだったのでSwitch2版を購入。
少々解像度低めに感じましたがTVモードよりジオラマっぽく見える不思議。
目立った処理落ちや長めのロードはありませんでした

■その他
多くの不満も書きましたがそれは私が多くのゲームをやってきた、やりすぎてきたせいでしょう。
斬新で奇抜なゲームを求めすぎているのかなぁ・・・。
スクエニの完全オリジナルタイトルが故その辺りに期待をしすぎてしまったのかも。
本作がRPGやアクションゲームにそこまで擦れていない人なら新鮮味を感じ、しっかりと楽しめると思います。
純で純なARPGです。
個性が無いのが個性、万人が楽しめるARPGです。
残念だったのはクリアをしてみて開発陣の「こんなゲームが作りたい」という意気込みよりも
「あんなゲーム(ゼルダや聖剣伝説)をHD-2Dで作ってみたい」という思惑が見え隠れしたこと。
開発陣からすれば「それは的外れ」ともいわれそうですが私はそう感じてしまったので。
どんなゲームでも開発者の志し、情熱、こだわりが感じられればプレイヤーも熱意を持って応援したくなるのですが本作からはそれが・・・。
HD-2Dが主役になるのではなくHD-2Dはあくまで表向きであってほしい。
HD-2Dという見た目でコアゲーマーに訴求できる時流はとうに過ぎているのではないでしょうか。




