
ペルソナシリーズ待望の最新作のジャンル はなんとSRPG。
デフォルメされたキャラクターデザインからゲームシステムはディスガイア系なのかうたわれるもの系かとも考えました。
ですが既存のSRPGにはない独自の要素を色々取り入れたチャレンジングなゲームシステムに。
その分、粗や消化不足な箇所も見受けられますが間口を狭めることなくとっつきやすいSRPGに仕上がっています。
SLGパート
ターン制になっていて自軍のパートが終わると敵軍のパートになりその繰り返し。
1キャラクターの攻撃方法は射撃、近接攻撃、スキル攻撃の3つがメイン。
1ターンなにもしなければ次のターンでパワーアップ、敵をダウンさせればもう1回攻撃などのペルソナらしい要素もあります。
特に重要なのは遮蔽物の隣で行動を終わらせるとガード状態になること。
ガード状態でない敵に攻撃するとダウン、1moraが発生しもう一度行動できるように。
それは敵にとっても同じでガード状態でないときに攻撃されると敵にも1moreが発生。
スキルなどでガード状態を解いた敵が複数いると1moreの連鎖で1ターン中何度も行動が可能に。
もちろん敵も一緒。
そこから総攻撃に発展することもあるのでとにかくガードが攻防にとって重要。
しかし敵のガード状態を解く、ダウンさせる、は深く考えることなくできるので慣れてくるとより優位に戦うことは難しくありません。
ペルソナらしくフィールドギミックを駆使するボス戦もあります。
そのボス戦では今まで重要だったダウンや総攻撃といった要素とはほぼ無関係のバトルになります。
主にフィールドのギミックを活かして戦うことになるボス戦はそれはそれで楽しい、
今までのSLGにはなかった楽しさがあるのですがボスが○体だけなのは物足りない。
SRPGをとっつきにくくしてある要素の多くが排除されています。
通常の難易度ではやれ移動距離だ、やれ射程距離だのを深く悩まなくてもいいバランスになっています。
移動もマスを4方向にカクカク動きながら移動するのではなく360度アバウトに移動するだけでキッチリ、マス目を移動したことになっている点は素晴らしいと感じました。
1ターンだけ巻き戻すことのできる要素もあるのですがこれは便利なようであまり便利ではありません。
開始ターンの最初に戻されるのならいいのですが1ターン前の開始時に戻されても・・・。
フィールドに参戦できるキャラは3人まで(終盤4人になります)
たったの3人、それがSLGとしてはとっつきやすくなっていますがSLGとして寂しく感じます。
フィールド全体図も把握しつらいのも難。
人数が少ないぶん1ターンにかける時間も短くて済むのは大きな長所でもあり大きな短所でもあり。
敵のAIがあまりよろしくなくたまに自爆や同士討ちをすることも。
戦闘中に敵が沸いてくることが多くステージ開始時に戦略が立てつらいのはスパロボ風味。
戦闘に参加できるのは3人までですが育成に必要な経験値やポイントなどは不参加キャラにも振り分けられるので各キャラを使いこなさなければいけないことはナシ。
お気に入りの3人だけつかってクリアできるのでその他キャラが薄くなるのは3人PT制の弊害です。
一応サブクエストには使用キャラ固定の詰め将棋のようなステージもあります。
これが使い慣れていないキャラでのプレイを強いられることもあってかかなり難しめ。
キャラを育成しステータスを高めて勝利を近づけるのではなく
ガードやステージのギミックを試行錯誤しながら戦うことのほうが重要になる戦略性はSRPG完全新作ですがよく練られています。
シナリオ
ペルソナ5のアニメをみるか、ゲームをプレイしていないと冒頭から路頭に迷うかと。
かといってペルソナ5のプレイヤーにとって嬉しいイベントや驚きがあったかといわれると・・・ほぼありませんでした。
正確には1つあったかな(笑)
恋愛系というかなんというか・・・。
人気も高くキャラクター付けもしっかりされているペルソナ5のキャラクターが活かされていないのはもったいない。
本作の新キャラ春日部とエルの2人を中心に物語は展開し怪盗団は2人の手助け。
ペルソナ本編とくらべるとシナリオはコンパクトで本編の1つの章を1つのゲームとしてボリュームアップし丁寧に仕上げた感じ。
決してシナリオが物足りなかったわけではなく、むしろ怪盗団が解決した1つの事件として感動したくらい良きシナリオでした。
デフォルメされたキャラクターが胸痛くなる今回の事件を丁度よくマイルドにしてくれています。
2Dイラストは立ち絵やイベントスチルも豊富です。
ペルソナ
今回ペルソナ(シャドウ)は敵として登場しません。
なので交渉ではなくステージをクリアするとアイテムのような形で数体ペルソナが貰える方式に。
なにそれ(笑)
そのアイテム(ペルソナ)を使ってラヴェンツァが溶かして混ぜ合わせて鍛冶屋のように精製して作り上げるのが今回のペルソナ合体。
過去作のペルソナ合体の世界観をぶち壊していますがペルソナから武器も作ってくれたりと精製する仕草も可愛いラヴェンツァに全てを許してしまいました。
ペルソナは主人公以外にも1体づつ装備することができ本来できなかった範囲攻撃や回復も可能になり本作もペルソナ合体は攻略に欠かせない要素です。
本作に登場するペルソナは2Dイラスト。
戦闘には参加も登場もしないので2Dで十分なのですが会話も交流もないのはなぁ・・・アイテム扱いだから仕方ないのですが。
音楽
目黒サウンドではありませんがペルソナらしい音楽が随所に。
移動とバトルが同フィールドで行われるためバトルバトルした音楽が少なめだったのは残念。
ゲームとしての面白さはプレイ前に期待していたシナリオよりあまり期待していなかったSLGパートのほうが楽しめた以外な結果に。
ペルソナ5は人気の高さゆえ本作のようなスピンオフは今度もリリース、もしくはアニメ化されるのかもしれません。
その時にこのP5Tはプレイしておかなければ置いてけぼりになるようなシナリオとまではなりそうにないですがゲーム部分は「P5Tも遊んでおいたほうがいい」といわれるであろう内容です。
覚えなければいけないゲームシステムも少なめ。
まだ体験版が配信されておらず「ペルソナ5は好きだけどSRPGはちょっと・・・」と敬遠されているかたも多いでしょうがSRPGへの固定観念は消し去ってもよい手軽さです。
タクティクスオウガ、ディスガイア、FE、うたわれ、スパロボ、サモンナイト等等様々なSRPGをプレイしてきましたが
1マップに出撃できるユニットの少なさが多いに功を奏して数あるSRPGのなかでも突出して遊びやすい。
そのぶんSRPGとしての物足りなさもありますが「目新しさを感じさせてくれるSRPG」は久々でした。