【龍が如く7外伝】
久々のアクションゲームとしての龍が如く新作。
その間にロストジャッジメントや維新極もあり龍が如くスタジオによる久々のアクションゲームというわけではありません。
ロストジャッジメントは龍が如くシリーズとは似て非なるタイトル。
シナリオ面はもちろん違いがありアクション面は力強さ、痛々しさより主人公八神の華麗さが前面に。
維新極にはゲーム自体に遊び辛い箇所が多々あり名越稔洋さん退社後の龍が如くスタジオを不安視することもありましたが本作では解消。
戦闘
龍が如く7や維新を否定するわけではありませんがやっぱり龍が如くは肉体を使ったアクションバトルがイイ!
と素直に感じさせてくれます。
今回の桐生は「応流」と「エージェント」という2種のバトルスタイルを使い分けてバトル。
「応龍」はオーソドックスな己の肉体を主軸に戦うバトルスタイル。
相変わらずのモーションは使い回しの多さに新鮮味は薄いのですが滑らかさは向上、ちょちょこ弄られているモーションや新たな動きには驚きも。
奥義や秘伝で覚える技が減った?
育成をほぼお金とイベントをこなすことで貰えるポイントで行えるようになったのは少々味気ない。
「エージェント」は体に装着したガジェットを使いこなすテクニカルなバトル。
ガジェットにはスパイダーマンのように糸を発射して複数の敵を縛り上げ投げ飛ばすこともできる「蜘蛛」
ドローンを数体飛ばして敵を攻撃させる「蜂」
小型爆弾を投げる「蛍」
足からのジェット噴射でドムのように高速ホバーリング攻撃する「蛇」
本作は1度のバトルで相対する敵の数が多く「蜘蛛」と「蛇」はそのようなバトルでは猛威をふるいます。
通常のアクションにも絡めやすく攻撃力もあるので「蛇」で走り回っているだけで何とかなることも。
敵が少ない時やボスバトルは「応龍」、多くの雑魚を相手にするバトルでは「エージェント」という位置づけがされているのでしょう。
ただガジェットの近未来的な面や蜘蛛の糸でワイヤーアクションのように移動したりと桐生っぽくないアクションは秋山駿やジャッジアイズの八神のほうが合っているような。
さすがにエージェントは新モーションも多く新鮮味もたっぷり。
そのうえ爽快感もあり「やっぱり龍が如くはアクション!」と、なるほどの遊びがいのあるバトルに仕上がっています。
今作から敵の必殺技?にカウンターで反撃することが可能に。
操作方法は簡単でカウンターの受付時間も長いのに何故か失敗することが多い。
単に私の理解不足、なのと受付時間が攻撃によって違いがあるから?
雑魚、ボスともに敵の攻撃が積極的になっている気もします。
過去作以上に防御、スウェーが大事ですがそこから派生する攻撃もあるので爽快感は高めです。
シナリオ・グラフィック
今作は6と7の間、7の裏で桐生に何があったのか、7と8の間が描かれています。
おそらく後付で書かれたシナリオでしょうがこじつけや矛盾点は少なく7で桐生成分少なめで寂しい思いをしていた桐生ファンを満足させられるであろう濃い目のシナリオに。
数々の良キャラとの邂逅や驚きの展開が随所に。
新キャラが多く登場しますが山口祥行さん、本宮泰風さんが演じた2人を筆頭に花輪も今後忘れられないであろう良キャラ。
ナンバリングとは異なりメインストーリーは短め、実際のクリアに要する時間は1/2程度だとしても体感だと2/3くらいかな?
ゲームの価格がナンバリングの約2/3とお安めになっていますがそこを危惧して内容を不安視されているのならそこは全く問題無し。
シナリオに深く関わってはいませんが赤目を演じるファーストサマーウイカさんも素晴らしいCVを魅せてくれます。
なぜかその赤目のモデリング、フェイシャルモーションがいまいちなのが残念すぎる。
ウイカさんはもっと、なんていうか、眉間にしわ寄せながら話すヤンキーっぽいのにそれが表現されていません。
8体験版で仲間になる重要な女性キャラも美しさは十分なのですがどこか没個性に見えます。
他の男性キャラはその点は問題ないのに。
ゲーム自体のグラフィックはかなり向上しているのですが表現が向上すればするほど龍が如くスタジオは女性キャラの描写に苦労しているのかも。
街並みや某遊び場のグラフィックは素晴らしくPS4版がちゃんと動いているのか心配になるほど。
メインシナリオはコンパクトですが物語の起伏は過去作に劣らないほど凝縮されていて中だるみしません。
ここまで桐生の身上に胸打たれて、遂には一緒にボロ泣きしてしまった龍が如くシリーズ作品は初めて。
もちろん過去作全てを遊んでいるからこそここまで心揺さぶられたのだと思います。
アクションゲームとしては過去作を遊んでいなくても楽しめますがシナリオ面では1~7をプレイしていなければなにがなんだかサッパリ、なのでは。
過去作は現世代機でも遊べるよう施策はされているので今からでも1から順にプレイして本作を体験してほしい。
育成・街遊び
本作もゲームセンター、ミニ四駆っぽいヤツ、ビリヤード、ゴルフ、レトロゲーム、キャバクラ、カラオケ、闘技場などなど本編とはほぼ無縁のプレイスポットがたっぷり。
パチンコ&パチスロが無い以外は外伝とはいえ本編に近い充実振り。
ファンにはセガマーク3やファイティングバイパーズ2やデイトナUSA2同等のゲームが収録されているのは嬉しさを通り越すほどの驚きだったようですが私にとってはそれほどでも・・・(ゴメン)
本作の桐生の成長には赤目ポイントと莫大なお金が必要。
赤目ポイント稼ぎは街のいたるところで発生するミニイベントやプレイスポットで比較的簡単に稼げるのですがお金は早々荒稼ぎできません。
キャバクラ経営や会社経営のような要素がなく特に稼げるのは闘技場かな?
アクションゲームとして帰ってきた本作、アクションでお金稼ぎって当たり前のようですがその思い切りは素晴らしい。
闘技場は個人戦、団体戦など数種類のバトルがありなかにはありえないキャラを操作できることも。
バトルスタイル「エージェント」の使いやすさや飽きさせない工夫もあり大変なお金稼ぎもさほど苦にはなりません。
キャバクラは何故か実写。
前述した女性キャラの描写に苦慮しているから来た発想からなのかは不明ですが生々しさがとんでもないことに。
実写映像をそのまま流しているだけではないようで妙にゲームにマッチしているのが末恐ろしい。
キャバクラ嬢オーディションはもう行わないそうですが今後どのように発展していくのか・・・。
過去作ではどのプレイスポットも始まるまでのロードが長くて敬遠しがちなこともありましたが本作はプレイスポットだけでな移動でもロードは短く問題無し。
公式では「桐生、最後の単独主演作品」となっています。
龍が如くチームによる新たなアクションバトルタイトルはジャッジアイズシリーズ新作、龍が如くシリーズのさらに先、もしくはまったく別のシリーズになるのでしょう。
8では癌とも戦う桐生。
1から始まった桐生と遥の2人メインの物語の続きをいつか桐生メインのアクションバトルタイトルで見たいと想わせてくれました。
外伝やスピンオフ、前日譚として作られた作品は本編に当たり障りのないように作られているモノがほとんどでした本作は違います。
ナンバリングよりコンパクトな内容になることは発売前インタビューでわかっていたのですがシナリオ面で期待を超えてくるとは思ってもいませんでした。
【龍が如く8体験版】
冒頭分が楽しめるシナリオメインのモードとハワイの一角を探索できるハワイモードの2種が実装。
何度も「龍が如くはアクションバトル!」と書きましたがこのコマンド選択式バトルもコレはコレで別のゲームとしての面白みがたっぷりあります。
RPGっぽい育成・成長・ジョブチェンジに敵を一体一体倒していく一戦一戦の重みはRPGバトルならでは。
他RPGのバトルでは当たり前に出きるようなことがで出きなかったり、その逆も。
本作はバトルがコマンド選択式になりアクション要素は薄め。
7同様、特殊攻撃時や防御時に追加入力でボーナスがつくのですがコレ、完全に無くてもいいんじゃないかなぁ。(オプションで変更できる箇所も)
アクションは苦手、という人にはコレすら難しく感じているのでは。
7よりも仲間の追撃が起こりやすくなっている気がしますが偶発的に起こるものなので戦略として使いつらい。
1ターンだけ巻き戻す、今からの行動でどうなるかがわかる予測、といった要素があってもよかったかも。
強敵バトルのときだけでも。
桐生にのみ覚醒するとアクションゲームのように操作できる要素が。
これがコマンド選択ってなんなの、と思うくらい強くそのための覚醒ゲージも溜まりやすい。
操作は簡単なのでコマンドバトルでも対処しにくい場面での救済措置なのかな?
8体験版ではバトルは7から大きな進化は感じられませんがテンポ、おかしな挙動は少々改善されています。
グレードアップしたビジュアルや新たな舞台ハワイからは8に対する期待がより高まる体験版になっています。
体験版だから仕方がないのかもしれませんが・・・セーブできません。
もしかしたら「7外伝は購入したけど6は合わなかったから8体験版プレイしない」といったプレイヤーがいるのかなぁ。
ちょっとだけプレイして「やっぱりコマンド選択式バトルは合わない」と中断したプレイヤーは少なくないかも。
どうか体験版の序盤だけでなくできる限り長時間プレイしてもらいたい。
そういう人のためにセーブは可能にしてほしかった。
龍が如くからアクションバトルを削ったのではなくRPGとしての面白さに転化したことがわかるのは7同様、時間を要するので。
龍が如くチームの素晴らしさは短いスパンでタイトルをリリースしその都度細かな進化や追加を遂げている所。
前作より遊びつらくなってない?キャラやシナリオの魅力が減ってない?といった事もたまにありますが。
ガストのアトリエシリーズも同様。
数年以上長らくファンを待たせておいて、いざ発売すると面白みもボリュームも期待以下といったシリーズモノも少なくありませんが龍が如くチームやアトリエシリーズにその不安はありません。
コマンド選択式バトルになってまだ2作目。
まだまだ改善の余地はあるバトルですが龍が如くチームのリリースのスパンならより多くの人が満足できる完成度になるのはそれほど先ではないのかもしれません。
関係ないけど某強キャラ登場シーン。
ライザが来たのかと思った(笑)