アニメ業界最前線の場からクリエーターによる現場の現状

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ニュータイプ最新号より「アニメの現場2020」から

アニメーター西位輝美(ジョジョ、はいからさん、星矢)
「演出や作監が紙を使ってきた世代だと紙を経由しないといけない。デジタルしか経験の無い若手との間で分断が起こる」
「作品数は増えてもアニメーターの数は変わらない。高クオリティを求められても予算は変わらない。クリエーターはつい頑張ってしまうのだがそれが続いてみんなが疲弊している状態。ここ最近製作が間に合わず延期になるケースがあるが昔はこんなことは無かった」
「制作側が一定の金額でアニメーターと契約する拘束の数は増えているらしい。社員化が進み労働時間(週休2日1日8時間労働)が徹底されるようになると製作スピードは下がりさらに人手が必要になり全体の予算は上がっていくしかない」

脚本家岸本卓(富豪刑事、フルバ)
「最近プロデューサーらがIP(知的財産)を口にするようになった。ただ作って終わりではない新しいお金の稼ぎ方を考え始めたのかなと」
「(アニメ業界にある脚本家不要論)はある意味ではもっとも。脚本家は唯一権利が保証されている存在。連盟に所属していれば監督でももらえない印税が発生する。絵コンテマンのほうがよりクリエイティビティを求められるのに。脚本家に発生するお金を他の役職に廻したい気持ちは良くわかる」
「マンガや小説の原作があれば0から話を作るのではなく映像に置き換える作業でクリエイティブというより職人的な作業」

「アニメ業界は権利関係と収益の配分をシリアスに考える時期に来ている」

3DCG
グラフィニカ森口×オレンジ和氣
森口「手描きがかける人は3Dでもうまい。これは業界の共通認識」
和氣「オレンジはまだちゃんと人間のキャラを描くことができていない。しっかり描ける会社になるためになにが必要か見定めるのが課題」
森口「CGは手書きに近い感じになるよう横顔などに修正を入れる。その作業を構築するするまでに開発期間がかかるがそれは手書きでは発生しない労力。手描きにくらべ6~9ヶ月余分に作業時間がかかる。これをクリアすることが課題」

美術 野村正信(美峰)
「ベトナムに拠点をつくり10年もやっていて日本人スタッフがいなくてもやれるシステムになっている」
「当初は普通の街中をお願いしても日本らしくない背景を描かれたが今では場数も踏んでスカイプでのうちあわせで背景用語で会話が通じるように」

音楽
岩波美和×山口貴之×小山恭正
山口「日本のアニメ業界は”ProTools”にとらわれすぎ。これはアナログ的発想から生まれたソフト。他の業界はデジタルネイティブ世代の思想を取り込んだ音響システムを導入して始めているのにどんどん取り残されていく」

アニメーターの薄給、制作スタジオにかかる負担は数年前の状況より大きく悪化はしていないものの大きく好転している状況でもなさそう。
今後10年はこのような状況が続くのかな。
スタッフの確保や予算の削減手段に海外にそれを求める流れが定着すれば大きく好転はしそうですが。
脚本にまで気を使ってアニメを見ることは無いけど「こんな早回しで説明不足で原作読んでない人がついてこれるのか」と感じる作品は多いですね。

 

 

 

 

 

 

 

 


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アニメ業界最前線の場からクリエーターによる現場の現状」への1件のフィードバック

  1. 匿名

    日本は全員反日しかいないのか?親日は排斥されるのが当たり前なのか?

    返信

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